ふと

私が中学生の頃、母の同僚が亡くなった。脳梗塞である日突然いなくなった。

当時、母は40代で、その同僚も母と同じ年齢だった。もう十数年一緒に働いた仲間だった。母はひどく落ち込み、来る日も来る日も泣き続けていた。母のそんな姿をそれまで見たことがなかった。母は強い人だと思っていた。だからとても驚いたし、こんな時、子どもである私達はどうしたらいいのか、とても悩んだ記憶がある。

今も母の寝室にはその同僚の写真が置いてある。隣には数年前に亡くなった、母の母、祖母の写真が置かれている。

 

 

自分の寝室にずっと写真を置くほど大事な家族以外の人って今の私にはいるかなぁと、ぼんやり思う。